●エピソード6
目も手も、口ほどに
モノを言う!

金属加工の会社で働いている
ムツミさん(20代男性)のケース

ムツミさん

作業感覚・空間把握に困難を抱えてしまうタイプ

人と同じように作業しているつもりでも、効率が一向に上がらない。整理整頓も苦手。

解説手まね・口まねも総動員して、感覚を合わせていくことが大事!

■言葉だけで急かしても効果は・・・

上司さんがおっしゃっていた通り、

「早くやれ」

と言うだけで、仕事が早くできれば誰も苦労しませんよね。ムツミさんの場合は特にそう。

仕事の早い先輩と並ぶことで、自分の仕事ぶりを客観的に意識することができました。

■本人は頑張っているが結果がなかなか伴わない

このタイプは空間把握や作業感覚にズレがあって、自分では精一杯やっている、または他の人と同じにようにしているつもりでも、どうしても平均的なスピードや仕上がりになりません。段取りが苦手とか、作業スペースやデスク上の整理整頓ができないという悩みも多いですね。

また、手先の細かい作業が苦手だったり、空間把握が弱いため、思わぬ危険に遭遇したりすることもあります。

■身振り手振りを使ってスキルアップ

今回の上司さんは、そんなムツミさんを見守りながら、左右に作業の早い先輩を配置して、同じ時間で作業できる量が全然違うことを視覚化して彼に伝えました。目で見て初めて理解できることもありますよね。先輩たちも、ムツミさんに作業のやり方を丁寧に教えてくれます。模範を示すだけでなく、身振り手振りも交えることで、言葉だけではどうしても入ってこないコツも少しずつ入ってきたようです。

このタイプの人は、仕事開始後の早い段階で見極めを行うことで、本人にマッチした業務を見つけることが大切です。今回のケースのように、作業の早い人とチームを組ませることも有効です。

POINT 身体感覚も使って覚えるのね!

うっかり危険な動きをしてしまったり、危ない箇所に近づきすぎたりすることがあります。色や線を使って空間認識を強化するなどして、危険に対する配慮も検討しておいた方が良い場合もあります。

■職場環境改善のきっかけに!

ムツミさんのような人が職場にいると、とてもよいことがあります。彼に合わせて職場を改善すると、その環境は誰にとっても仕事しやすいものになるということです。

みんなが何となく習慣で行っている業務が、実は非効率的なものだったことに気がついた、あるいは作業の工程で事故を起こす可能性が高いプロセスがあることを認識できた、というエピソードもいくつかありましたよ。