性暴力に遭った方や、その後の辛さの中にいる方の支援について学ぼうと、12月25日、専門家を招いた社内研修会を開催しました。お呼びしたのは、一般社団法人日本フォレンジックヒューマンケアセンター(NFHCC)の片岡笑美子さんと長江美代子さん。「性暴力対応看護師」(SANE)として、被害に遭った方に寄り添って来られました。その実践の中で得られた知見や、性暴力被害がトラウマとして残った場合のケアについて教えていただきました。
お二人は、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(通称:八事日赤)にある「性暴力救援センター日赤なごや なごみ」を立ち上げ、2019年には活動を普及するため「日本フォレンジックヒューマンケアセンター」を設立。性暴力に遭った人たちの意思とペースを尊重し、必要なケアや資源につなぐ支援や、トラウマインフォームドケアが社会に定着するよう働きかける活動もされています。

性暴力の加害者は実父が最も多く、義父、兄弟、祖父などがそれに続き、身近な人からの被害になかなか声を上げられない構造があります。SNSを使って若者を手名付ける「グルーミング」の手法や、アルコールや飲み物に薬を混入して暴力に及ぶ手法なども増えているとのこと。被害のあと、周りの人からの「これくらいで済んでよかったね」「命が助かってよかったね」「大丈夫、よくなりますよ」などの言葉で二次被害(セカンドレイプ)になることも多く、トラウマ・インフォームドケアが非常に大切だということです。

限られた時間ではありましたが、研修後も片岡さんや長江さんに熱心に質問をする職員の姿も。被害がなくなる事を願いつつ、支援者だけではなく多くの人たちがトラウマに関する知識や対応を身につけ、社会に広がることが大切だと深く感じた時間でした。
片岡さん、長江さん、ありがとうございました。