子どもに「不登校」や「非行」などのラベルがつく前に出会い、一緒に悩める大人になるには―――。草の根ささえあいプロジェクトは2月27日、名古屋市内で支援者向け研修会「5 人に 1 人が抱える現実~狭間で透明化されてきた精神疾患の親をもつ子ども若者及びヤングケアラーの生活課題への取組と協働~」を開催しました。名古屋市から受託する「なごやヤングケアラー コネクトPocket」の事業の一環。会場参加、オンライン参加合わせて100人がともに考える時間を共有してくれました。

研修では、精神疾患の親を持つ子ども・若者の支援を行う「NPO法人CoCoTELI」から、代表の平井登威さん、ソーシャルワーカーの出口龍之介さんが講演されました。父親がうつ病を長年患っていたという平井さんは、大学在学中に団体を設立。「親が精神疾患であること自体が悪ではないが、その子どもの精神疾患の罹患率がそれ以外の子どもより高いという現実がある。負の連鎖を止めたい」とその背景を語りました。
オンラインで全国の子ども・若者から連絡がある中、「やりとりの9割は雑談」と紹介。彼らとのかかわりの中で、「食事のメニューを聞かれても、からあげかハンバーグかと聞かれて、(自分の好みに関わらず)どちらを選んだ方が場が収まるかを考えて生きてきた子が多い」と言い、自分を主語にした選択ができるよう関わっていることを話してくださいました。
後半は、平井さん、出口さん、会場のみなさんで、「今話したい事」を出し合うグループワークを開催。「親が精神疾患や病気になった時子どもにどのように伝えればいいか」や「ヤングケアラーの子にとってのケアの意味とは」など10個のテーマがその場で出され、興味のあるテーマに集う形式で実施しました。講演を聞いて考えたことや、現場の支援の中で感じているもどかしさやアイデアなど、熱気に満ちた対話があちこちで見られました。


コネクトPocketでは、3月26日(水)にもイベントを開催予定。こちらはヤングケアラー当事者や、家族、支援者、関心のある方など広く参加を呼び掛けるオンラインイベントです。ご興味のある方はぜひコネクトPocket事務局まで。
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