あどけなさの残る18歳大学生の彼は、「親と縁を切りたくて」と切り出しました。すでに今、大学進学のために名古屋で一人暮らしをしていて、毎日の生活は物理的にも精神的にも親と離れています。「今のアパートは親の名義なのが嫌で」。聞くと、親から差し迫った虐待やひどい束縛があるわけではなさそうです。
彼が親と縁を切りたい理由。それは、彼が中学生のころに続いた暴力でした。両親から怒鳴られる、叩かれる。近くにいる妹には及ばない。なぜかそれが始まり、彼が高校生になるとなくなったそうです。その理由もわからず。
今は当然のように大学進学の費用を出してくれて、仕送りもあります。「それでもどうしても許せなくて」。あまり表情を変えず、彼は言いました。
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親と縁を切りたいーーーそう話す若者たちは、それぞれ違う苦しみを負ってきており、第三者には伝わりにくいことも辛さのひとつになっています。
実際、過去の傷だけでは、公的なシェルターの利用なども難しいことがほとんど。だからこそ、一緒に考える人が必要なのだと思います。どんな形であれば「縁を切ることができた」と思えるのか。少しマシだと感じるのか。どこからなら手を付けられそうか。
冒頭の彼が過去に受けたものは、虐待を含む”不適切な養育”を指す「マルトリートメント」と言います。ある大学のHPでは、以下のような例が載っています。(※参考HP)
・子どもを怒鳴る、置いて帰ると怖がらせる
・しつけと称して子どもを叩く
・大人の気分で子どもへの態度を変える
・兄弟間で差別をする
・子どもの話を聞かない、無視をする
・子どもの前で夫婦げんかや、お互いの悪口をいう
・子どもの意見を無視した教育方針や進路を押し付ける
・入浴後に親が全裸で室内を歩く
人とのかかわりを学ぶ子供時代に、一番身近な「人」である親からこのような対応をされ、人への信頼感を得られずに過ごすと影響は青年期にも及びます。
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しんどい環境の中を生き延びた彼らにリスペクトの気持ちをもって、親ではないからこその距離感と優しさで付き合っていけたらと思っています。
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