お金が絡むと難しい―――若者たちの言葉から考えること

 通信制高校で使うために買った新しいタブレット。電源が入らず真っ黒で、彼女はうつむいたまま。「充電コードが壊れちゃって」。コードをもう一度買うのは難しいの?と聞くと、「申し訳なくて」。言葉数の少ない彼女は、何度もそう口にしました。

 学費だけでなく交通費、昼食代、壊れた充電コードの買い替え。こまごまとした出費は、親と子の間で感情を揺らします。中学生時も不登校になった経験がある彼女とその親であれば、なおさらのこと。

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 子どもが高校生時期、もしくはもう少し前の塾通いが始まる年齢になったとき、親子関係は一層複雑になると、相談を受けていて感じます。それまでに両者を結んでいた愛情や信頼といったものに、金銭的な要素が明確に加わるからです。

 いうなれば、スポンサー関係。毎月〇万円、という学費、塾代、交通費がはっきりと見えてしまう。このとき、費用を負担する親が「〇万円払っているのだから」と費用に見合う対価を求めてしまうのは自然な心理であると思います。

 では「〇万円払っているのだから」、親は何を求めるのでしょうか。授業の出席?卒業?勉強?友人作り?失敗しようと成功しようと、自分でやってみたという経験?どんな希望であっても一方的であれば関係が悪くなり、お互いの希望に近づくことができないことは確かです。

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 「お金が絡んでいるから難しい」と、まずお互いが気づくところからのスタート。この難しさを一緒に乗り越えようという気持ちを育てていけたら―――。問題が急に消えるような魔法のない世界で、一緒に悩ませてもらえたらと思います。