草の根ささえあいプロジェクトでは、①相談支援事業、②生活支援事業、③就労支援事業の3つの事業を行なっています。社会的に孤立している人、社会生活を営む上で困難を抱える人たちに対してオーダーメイドのサポートを実施しています。
1. 相談支援事業
草の根ささえあいプロジェクトは、これまで、生活困窮者にまつわる多くの調査事業を行なってきていますが、そこから導き出された結果をエビデンスとして、現場支援の実践へと生かしています。草Pの相談支援事業は、名古屋市子ども・若者総合相談センター、オープン型交流スペース Moi Moi、2019年10月末からスタートしたLINE相談があります。
名古屋市子ども・若者総合相談センター
名古屋市内在住の0歳~概ね39歳の方とその保護者の方を対象としたワンストップサービスセンターとして、2013年6月に開設されて以来、社会生活を営む上で困難を抱える子ども・若者の相談支援を行なっています。待つだけではなく、相談がしたくてもできない人のそばまで出向いていき、どんな悩みもじっくりお聴きします。そして、多様なアプローチで支援を行なっている様々な人や団体とつながってネットワークを編みながら、ご本人を中心にして、その方のペースに寄り添ってオーダーメイドの支援を行なっています。
オープン型交流スペース Moi Moi
”福祉”や”相談”にハードル高く感じる若者が、勉強や読書、カフェやサークルなどそれぞれの目的に応じて、日常の一部として使用する中で、ちょっとした悩み事を話したり、秘めていた夢や希望を叶えたりするためのスペースです。スタッフとの関係性の中から、誰にも共有できなかった悩みを事前にキャッチし、相談に繋げる「予防支援」と、Moi Moiという場を通じて、自ら課題解決や可能性を拡げていく「人生開発支援」を主な目標とし、多様なゲストを招き、様々な経験や価値観や生き方に触れられるイベントのほか、季節ごとのイベントなども開催しています。
LINE相談
「相談する」ということに敷居の高さを感じる若者にとって、気軽につながってもらえる方法の一つとして、2019年10月末からスタート。言葉にできない漠然とした不安の段階から相談がスタートできること、顔が見えないからこそ思い切って話せる安心感、そしていざとなればセンターの相談につなぐことができることを強みとして、潜在的な困り事を抱えた若者本人からの相談を直接キャッチできるようになりました。
2. 生活支援事業
草Pは生活支援事業も展開しています。新型コロナウィルスの流行により生まれた新たな困難層の相談窓口としての草の根ホッとラインがあります。
草の根ホッとライン
新型コロナウィルスのまん延により、困難を抱える人たちはもちろんのこと、コロナ以前は困難層と考えられていなかった人たちも、これまで経験したことがない不安や困りごとを抱えることになりました。その中で、愛知県、主に尾張・知多・西三河地区の地域を対象とした何でも電話相談を2020年6月から開始しました。2022年からは既存の各事業でカバーできない人たちの相談支援と伴走支援を、他機関と連携しながら進めています。
3. 就労支援事業
若者の就労支援は今まで、「できないことをできるようにする訓練」が主流でしたが、わたしたちは視点を変えて「あなたは、あなたのままでいい」を大事にしています。
今の若者の多くは、とても真面目です。自分を律し、精一杯頑張る若者ばかり。怠けているどころか、つま先でいつもギリギリの背伸びをしている状態…。そんな不器用で一生懸命な若者を、社会の狭いルールや既存の慣習、効率や成果にあてはめることが、本当に正しいことだろうか?そのことは、わたしたちの社会を明るくするだろうか?とずっと疑問に感じてきました。
そこでわたしたちは、若者に無理な変化や適応を求めるのではなく、環境を調整することで活躍を後押しする『本人は変えない、環境を合せる』を合い言葉に、オーダーメイドの就労支援を実践しています。
名古屋市若者・企業リンクサポート
「あなたのままで、なくてはならない人になる」を掲げた環境支援型就労支援。名古屋市の委託事業として2019年にスタート。就活スキルを学ぶのではなく、いまの得意なことや苦手なことを会社にも開示しながら、就労先をマッチングし、就労後の仕事や生活をサポート。名古屋市在住の15~39歳の方が対象です。